母子留学の3つのかたち——自分がどれを考えているのか決める
「母子留学」という言葉は、期間がまったく違う3つのものをまとめて指しています。
ここを分けないまま情報を集めると、年単位の話と1週間の話が混ざって判断できなくなります。
まず、自分がどれを考えているのかを決めてください。
| かたち | 期間 | 子どもが通う先 | 主な準備 | 費用の桁 |
|---|---|---|---|---|
| ① 短期 (お試し) | 1〜2週間 | 現地の公立小学校やインターナショナルスクールの通常授業 | 観光ビザの範囲。日本の学校は在籍したまま | 数十万円 |
| ② 学期単位 | 3か月〜1年 | 現地校に学期単位で在籍 | 学生ビザ・保護者の滞在資格・住まい・日本の学校との調整 | 年で数百万円 |
| ③ 移住型 | 年単位 | 現地校に正規で在籍 | ②に加えて、生活基盤の移転と日本側の整理 | 年で数百万円〜 |
②と③は、住まい・ビザ・学校選び・家族の二拠点生活まで、決めることが一気に増えます。
一方で①は、日本の学校に在籍したまま、長期休みの中で完結します。
このサイトで扱っているのは①です。
ただ、①を②や③の「予行演習」として使う方は少なくありません。順番としてはそのほうが合理的だと考えています(理由は後半で書きます)。
短期母子留学の1週間——子どもの平日と、母親の時間
いちばん想像しづらいのは、母親が日中どう過ごすのかだと思います。
順に見ていきます。
子どもは、平日は現地校で過ごします
語学学校や日本人向けのキャンプではなく、現地の子どもが普段通っている教室に入ります。
- ニュージーランド——現地の子どもたちが実際に通う公立小学校へ、そのまま入学します(対象:5歳〜小学生)。
- マレーシア(ジョホールバル)——現地インターナショナルスクールの通常授業への体験入学です(小学1〜6年生。親子参加は保護者1名+4歳〜15歳のお子さま)。
初日に緊張するお子さんは珍しくありません。
教室の中の様子はNZの公立小学校に短期入学した子どもの1日に書いています。
母親の日中は、基本的に自由時間です
子どもが登校している間、母親には数時間のまとまった時間ができます。
実際の過ごし方は、だいたい次のどれかに落ち着きます。
- リモートワーク——時差が小さいマレーシア(時差1時間)は、日本の業務時間とほぼ重なります。
- 下の子と過ごす——未就学のきょうだいがいる場合、日中はこちらが中心になります。
- 生活を整える——買い物、洗濯、翌日の準備。慣れない土地では、これだけで午前が終わります。
- その土地を見る——移住を検討している場合、スーパーの物価や住宅街の雰囲気を見ておく時間になります。
時差・食事・学校の持ち物で、最初の2〜3日はほぼ生活の立ち上げに使われます。予定を詰めないでください。
朝と夕方は、想像よりも忙しくなります
学校への行き帰りは保護者が付き添う形になります。
日本のように子どもだけで通学する前提ではないため、朝と夕方の時間は毎日固定で埋まります。
ここを見落とすと、「日中に予定を入れたら間に合わなかった」ということが起きます。
現地での移動手段(徒歩か、配車アプリか)は、滞在先を決める段階で確認しておいてください。
費用:母子2名・1週間の総額をどう見積もるか
母子留学の費用は「プログラム料金」だけを見ても意味がありません。
実際に家計から出ていくのは、次の5つの合計です。
- ① プログラムの基本料金
- 受け入れ枠の確保・入学手続きの代行・渡航前ガイド
- ② 現地校の学費・入学金
- ①とは別にかかります。学校ごとに違います
- ③ 航空券(母子2名分)
- 時期でいちばん大きく動く項目
- ④ 宿泊・食事
- キッチン付きかどうかで総額が変わります
- ⑤ 保険・現地での交通費・雑費
- 海外旅行保険は必須と考えてください
この5つを足したときの目安が、次の表です。
母子2名・1週間で計算しています。
| 行き先 | ①基本料金+②学費 | ③〜⑤ 渡航・滞在ほか | 総額の目安 |
|---|---|---|---|
| マレーシア (ジョホールバル) | 11万円+約5〜10万円 | 約18〜40万円 | 約35〜60万円 |
| ニュージーランド | 11万円+約10〜20万円 | 約25〜50万円 | 約45〜80万円 |
幅が大きいのは、③〜⑤がご家庭の手配だからです。
航空券を取る時期と宿の選び方で、同じ行き先でも20万円以上変わります。
母子留学で費用を抑えるなら、効く順番はこうです
- 行き先を近くする——マレーシアは航空券も現地の物価も、ニュージーランドより低く収まります。
- 受け入れが確定してから航空券を取る——先に取ると、学校の都合で週がずれたときに変更手数料と差額が出ます。
- キッチン付きの滞在先にする——母子2名の1週間なら、外食続きとの差は数万円になります。
- オプションを取捨する——後述の現地サポートは必須ではありません。ここは判断が分かれる項目です。
費用の分解のしかたは、親子留学の費用——本当の総額の見積もり方でさらに細かく扱っています。
「うちの子の年齢と、取れる日数だと、どこが現実的ですか?」を説明会で直接聞けます
無料オンライン説明会を見てみる母子だけの渡航で、実際につまずくところ
ここは正直に書きます。
説明会でよく出る不安と、実際に起きやすいことは、少しずれています。
つまずくのは英語より「判断の数」です
母子だけの滞在では、大小の判断がすべて母親ひとりに集まります。
体調を崩したときにどうするか、学校からの連絡にどう答えるか、予定を変えるかどうか。
日本にいれば5秒で相談できることが、時差をまたぐと半日かかります。
疲れるのは英語ではなく、相談相手がいない状態が1〜2週間続くことのほうです。
対策は単純で、出発前に「迷ったらこうする」を決めておくことです。
- 体調を崩したとき、病院へ行く判断の基準(何度以上なら行く、何日続いたら行く)を数字で決めておく
- 予定外の出費は、いくらまでなら相談せずに使ってよいか
- 日本と連絡を取る時間を、1日1回いつにするか
子どもが泣いた日を、失敗と数えないこと
初日や2日目に「行きたくない」と言う子は一定数います。
現地校の先生は短期の受け入れに慣れており、数日で教室に馴染むケースがほとんどです。
ここで母親が一緒に落ち込むと、子どもは「やっぱり失敗なんだ」と受け取ります。
泣いた日は起きて当然のこととして、淡々と翌日に進めてください。
英語は、母親も「書いて確かめる」だけで足ります
先生とのやり取りで必要なのは流暢さではありません。
持ち物や時間の確認を、口頭で済ませずに翻訳アプリで文章にして見せる。これだけで、聞き間違いによるトラブルはほぼなくなります。
英語に不安がある場合の考え方は親も子も英語が話せなくても親子留学はできる?にまとめています。
なぜ「まず1週間」なのか——長期・移住を考えている人ほど
ここからは背景の話です。
②学期単位や③移住型を視野に入れている方に向けて書きます。
移住の判断材料は、資料からは出てきません
学校のウェブサイトや体験談を100本読んでも、分からないことがあります。
- その教室で、自分の子が笑っているかどうか
- その街のスーパーで、毎日の買い物ができそうか
- 母子ふたりだけの海外生活が、自分に向いているか
この3つは、現地で1週間過ごせば、かなりはっきりします。
逆に言えば、1週間分の費用で、年単位の決断の精度が上がるということです。
合わなかったときに引き返せる
短期の利点は、成功したときより合わなかったときに効きます。
1週間で「この国は違った」と分かれば、別の国を試せます。
「子どもにはまだ早かった」と分かれば、2年後に組み直せます。移住してから同じことに気づくのとは、取り返しのつきかたがまったく違います。
時期は、春休みが取りやすい
日本の夏休みにあたる7〜8月は、北半球の多くの国で現地校も夏休みです。
つまり「現地の子が普通に通っている教室に入る」ことが、そもそも成立しません。
一方でニュージーランドは日本と季節が逆で、1月末から2月にかけて新年度が始まります。日本の春休みにあたる3月下旬〜4月上旬は、現地の小学校は学期の途中です。
マレーシアのインターナショナルスクールは学校ごとに学年暦の区切りが違うため、受け入れ可能な週は学校単位の確認になります。
春休みの国ごとの選び方は春休みの親子留学ガイド——3カ国の選び方、逆算の準備手順は2027年の春休みはいつから?準備スケジュールで扱っています。
参考:aini海外短期留学(2027年春)の内容と費用
ここまでの話を実際の申し込みに当てはめると、どうなるか。参考として、私たちのプログラムの内容を掲載します。
費用(お子さま1名・2027年春)
- 基本料金:11万円(税込)——現地校の受け入れ枠の確保、入学手続きの代行、渡航前ガイド
- 学費(現地校の学費・入学金)は別途——ニュージーランド 約10〜20万円/マレーシア 約5〜10万円(1〜2週間)
- 現地在住日本人によるサポートはオプション——ニュージーランド 16.5万円/マレーシア 15万円(税込・家族1組)
プログラム側の総額の目安は、ニュージーランドが約21〜31万円(オプションを利用する場合は約37.5〜47.5万円)、マレーシアが約16〜21万円(同 約31〜36万円)です。
期間は1〜2週間。ニュージーランドはダニーデンが1週間から、オークランドとクライストチャーチが2週間からとなります。
パッケージツアーではないため、渡航と滞在はご家庭で手配いただく形です。上の費用表で③〜⑤を別に立てているのは、そのためです。
オプションの現地サポートで行うこと
母子だけの渡航では利用を検討される方が多い項目です。内容は次の5つです。
- 渡航前のオンライン顔合わせ(1回・30分程度)
- 到着時の合流・現地オリエンテーション(1回・空港にて合流)
- 周辺環境のご案内・買い物への同行(1回・約1〜2時間)
- 学校登校初日の同行(1回・約1〜2時間)
- 滞在中のご相談への対応(メール・LINE、現地時間の平日9:00〜18:00、返答は原則24時間以内)
必須ではありません。
ご自身で動ける方は付けずに参加されますし、初めての海外で不安が大きい場合に選ばれることが多い項目です。
お申込み前の事前確認について
お申込みの前に「事前確認シート」をご提出いただきます。
内容と現地校からの回答をもとに主催者が個別に確認し、難しいと判断した場合はお断り、または出発前に中止とさせていただきます(その場合、プログラム費は全額返金します)。
学校生活で常時の付き添いや個別の支援が必要な場合、投薬の管理や医療的ケアを保護者以外が行う必要がある場合、現地校が受け入れ不可と判断した場合は、ご参加いただけません。
なぜ現地の通常校への短期入学ができるのか
海外現地で長年子育てをしてきた保護者など、日本最大級の海外在住日本人プラットフォームを運営しているロコタビだから、一般の留学エージェントやネット情報では見つけられない、現地の人だからこそ知る「質が高く環境の良い学校」を独自に開拓できました。
国ごとの詳細はこちらから確認できます。
費用の一覧は料金ページにまとめています。
よくある質問
A. 1週間から可能です。ニュージーランドはダニーデンが1週間から、オークランドとクライストチャーチは2週間から。マレーシア(ジョホールバル)は1〜2週間です。学期単位や年単位を考えている場合でも、まず1週間の短期で現地の学校と暮らしを試してから判断する進め方をおすすめしています。
A. 日常会話に自信がなくても参加できます。学校とのやり取りは、口頭だけで済ませず翻訳アプリで文章にして確認すれば、聞き間違いによるトラブルはほとんど防げます。オプションの現地在住日本人によるサポートを利用する場合は、到着時の合流や登校初日の同行、滞在中のご相談への対応を日本語で受けられます。
A. 未就学のお子さま(およそ2〜6歳)と保護者向けのプログラムが別にあります。ニュージーランドは地域のプレイグループへの参加、マレーシアは現地のインターナショナル幼稚園への体験入園(4歳〜)、スイスはモンテッソーリ・デイキャンプです。上のお子さまと下のお子さまを同じ時期にどう組み合わせられるかは学校と日程によって変わるため、無料オンライン説明会で個別にご相談ください。
A. 航空券と滞在先はご家庭での手配となります。母子2名の1〜2週間であれば、キッチン付きの滞在先にすると食費が抑えられ、体調を崩したときにも対応しやすくなります。学校までの移動手段(徒歩か配車アプリか)が現実的かどうかを、場所を決める前に必ず確認してください。手配は現地校の受け入れが確定してからにすると、週がずれたときの取り直しを避けられます。
A. 基本料金11万円(税込・お子さま1名)に加えて、現地校の学費・入学金が別途かかります(ニュージーランド 約10〜20万円/マレーシア 約5〜10万円・1〜2週間)。さらに母子2名分の航空券・宿泊費・食事・海外旅行保険・現地での交通費がご家庭の手配となるため、1週間でマレーシアが約35〜60万円、ニュージーランドが約45〜80万円が目安です。内訳の立て方は費用の記事で解説しています。