正直に挙げる、5つのデメリットと現実的な対処
まず、実際に起きることから書きます。
一般論ではなく、「どのくらいの問題で、どう対処するか」まで具体的に見ていきましょう。
① 費用が、日数のわりに高い
最大のデメリットは費用です。
1週間の短期プログラムでも、プログラム費は30〜40万円台が相場になります。
しかも、多くのプログラムでは航空券・宿泊費・食費・海外旅行保険・現地での移動費は含まれません。
ここを見落とすと、見積もりが大きくずれます。
目安として、プログラム費と同じくらい〜2倍程度の実費が上乗せされると考えて計算してください。
減らし方はこの3つです。
- 親子1名ずつの航空券が総額の山になるので、日程の自由度がある家庭は航空券の安い週から逆算して時期を決める。
- 滞在先はホテルよりキッチン付きの部屋を選ぶ。1週間以上なら、外食続きより食費が下がります。
- 複数国で見積もりを取って比べる。同じ「1週間」でも国によって総額は10万円以上変わります。
総額の組み立て方は親子留学の費用——本当の総額の見積もり方で詳しく分解しています。
② 1〜2週間で、英語は伸びない
これは対処のしようがないので、期待値のほうを正確にしておくのが唯一の対策です。
1〜2週間で英語が話せるようにはなりません。
言語の習得には時間がかかります。これは長期留学でも同じです。
「短期留学で英語力を伸ばす」を目的にすると、まず確実に期待外れになります。
費用対効果で見ても、その目的なら同じ金額を国内の英語環境に使ったほうが時間あたりの学習量は多いはずです。
では何のために行くのか。
ここが曖昧なまま申し込むと、帰国後に「結局なんだったんだろう」となります。目的の立て直し方は後半のメリットの章で書きます。
③ 学校を休む調整が要る
日本の小学校に通いながら海外の学校に行く以上、日程は必ずどこかでぶつかります。
ただし、これは時期の選び方で大きく変わるデメリットです。
春休みや夏休みを使えば、休む日数はゼロ〜数日に抑えられます。
ポイントは、「日本が長期休みで、かつ現地の学校が学期中」の時期を狙うこと。
この条件を満たす国と時期は限られます(後半の国と時期の章で説明します)。
学校への伝え方や欠席扱いの実務は、学校を休ませずに留学する方法にまとめています。
④ 最初の2〜3日、子どもがつらい
言葉が通じない教室に入った初日、多くの子は黙って過ごします。
低学年なら泣くこともありますし、高学年ほど「恥ずかしい」が先に立って口を開かなくなる傾向があります。
これは失敗ではなく、ほぼ全員が通る過程です。
3日目あたりから身ぶりでのやり取りが始まり、名前を呼ばれるようになると空気が変わります。
親側の対策は、事前に「最初はしゃべれなくて当たり前」と本人に伝えておくこと。
「せっかく行くんだから話しておいで」は、初日のプレッシャーを跳ね上げます。
もうひとつ効くのは、期間を1週間より少し長く取ることです。
1週間だと、慣れてきたところで終わってしまいます。日程に余裕がある家庭は2週間を検討する価値があります。
⑤ 親の手配と付き添いの負担が大きい
小学生の短期留学は、多くが親子での渡航になります。
つまり、親にとっては休暇ではなく引率です。
- 航空券・滞在先・保険の手配
- 現地での日々の移動と買い物
- 学校とのやり取り(連絡帳、持ち物、行事)
- 体調を崩したときの対応
英語に自信がない場合、この④番目が最大の不安になります。
「子どもが熱を出したら、誰にどう相談するのか」が決まっていないと、滞在中ずっと心配が消えません。
ここはプログラム選びで直接減らせるデメリットです。
現地在住の日本人に日本語で相談できる体制があるかどうかを、申し込み前に必ず確認してください。
英語力ゼロで渡航する場合の実際は、親も子も英語が話せなくても親子留学はできる?に詳しく書いています。
「うちの子と、うちの家計の場合はどうか」を説明会で直接聞けます
無料オンライン説明会を見てみる申し込む前に決めておくと、後悔がかなり減る5つ
ここまでのデメリットは、申し込み前の5つの確認でほとんど小さくできます。
資料請求や説明会の場で、そのまま聞いてみてください。
- プログラム費に含まれないものを、項目ごとに聞く。航空券・宿泊・食事・保険・現地での移動が別途なら、その概算も一緒に聞くと総額が見えます。
- 受け入れ先は「語学学校」か「現地の子どもが通う学校」か。体験の中身が根本的に違います。
- その週、受け入れ先は通常授業をしているか。休暇中の特設プログラムなら、現地の子どもは基本的にいません。
- 現地で日本語で相談できる相手はいるか。いる場合、どこまで対応してくれるのか(学校とのやり取り、体調不良、緊急時)を具体的に。
- キャンセル規定と、直前に子どもが強く嫌がった場合の扱い。小学生は気持ちが変わります。ここを先に確認しておくと親の心理的な負担が減ります。
この5つが曖昧なまま申し込むと、あとから出てくる「聞いていなかったこと」が不満に変わります。
それでも残るメリットは、「英語力」ではないところにある
デメリットを5つ挙げたうえで、では何が残るのか。
参加されたご家庭の声から見えてくるのは、次の4つです。
1. 「英語を使う理由」が本人の中に生まれる
教室で日本語が通じないと、子どもは身ぶりと単語で友だちを作ろうとします。
これは机の上の学習では起きないことです。
英語力そのものは1週間では動きません。
ただ、帰国後の英語学習への向き合い方が変わったという声は多くいただきます。「通じなかった」という悔しさが動機になるからです。
2. 「自分で何とかした」経験が残る
親が全部先回りしない環境で、子どもがトイレの場所を聞く、給食の列に並ぶ、名前を伝える。
小さなことですが、本人にとっては初めて自力で突破した出来事になります。
短期留学のいちばん確実な効果は、ここだと考えています。
3. 「世界にはいろんな普通がある」と、体で知る
教室のルール、休み時間の過ごし方、給食、宗教や肌の色の違い。
説明されて知るのと、その中で1週間過ごすのとでは、残り方がまったく違います。
4. 親自身の判断材料が増える
意外と大きいのがこれです。
「将来もっと長く行かせるべきか」「うちの子に海外は合うのか」を、想像ではなく実物で判断できるようになります。
長期の移住や本格的な留学を考えている家庭にとって、短期は「試してから決める」ための手段になります。
まとめると、短期留学は「英語力を買う」ものではなく「経験と判断材料を買う」もの。
この前提に立てるかどうかが、満足度を分ける最大の分岐点です。
正直に言って、行かないほうがいいケース
すべての家庭に勧められるものではありません。
次のいずれかに当てはまる場合は、いったん見送るか、時期をずらすことをお勧めします。
- 目的が「英語力を上げること」だけの場合。前述のとおり、短期では達成できません。目的を立て直してから検討してください。
- 費用が家計を圧迫する場合。総額はプログラム費だけでは終わりません。無理をして行くと、「これだけ払ったのに」が親子の関係に出ます。
- お子さんが強く嫌がっている場合。初日の不安と、行くこと自体への拒否は別物です。後者なら、1〜2年待つ判断は十分ありえます。
- 渡航直前に家庭の環境が大きく変わる場合。引っ越し、下のお子さんの出産、ご家族の状況など。子どもは環境の変化が重なると崩れやすくなります。
- 親が現地で仕事をしながら付き添う前提の場合。時差と回線と学校行事が重なると、想像よりかなり厳しくなります。
逆に言えば、ここに当てはまらず、目的が「経験」に置けているなら、小学生の時期は短期留学に向いています。
体力があり、言葉の壁に対する羞恥心がまだ薄く、長期休みが取りやすいからです。
学年ごとの向き不向きは親子留学は何歳から?年齢別ガイドで整理しています。
デメリットの大きさは、国と時期の選び方で変わる
ここからは、なぜ「時期の選び方」がそこまで効くのかという背景の話です。
知っておくと、比較検討の精度が一段上がります。
現地の学校は、そもそも短期の受け入れをあまりしていない
「現地の普通の学校に1週間だけ通わせたい」という希望は自然ですが、学校側にとっては手間が増えるだけの話です。
そのため、短期受け入れの窓口を持っている学校自体が多くありません。
検索で見つかる海外プログラムの多くが語学学校型なのは、この制約があるからです。
語学学校型は入りやすい反面、教室にいるのは各国からの留学生で、日本の長期休みに合わせた回は日本からの参加者が集中しやすいという別の問題が出ます。
この構造は海外サマーキャンプが「ほぼ日本人」になりやすい理由で詳しく書きました。
日本の長期休みは、現地の学校も休みのことが多い
もうひとつの壁がこれです。
北半球の国では、日本の夏休みは現地も夏休み。通いたくても通常授業そのものがありません。
ここを回避できる組み合わせは、大きく2つです。
- 南半球の国を選ぶ。ニュージーランドは日本と季節が逆なので、日本の夏休み期間も現地の公立小学校は学期中です。
- 年間を通して授業がある学校を選ぶ。マレーシアのインターナショナルスクールのように、日本の長期休みと現地の学期がずれている国もあります。
春休み(3〜4月)は、この点で選択肢が広い時期です。
日本の学年の区切りで休みが取りやすく、南半球のニュージーランドも学期中にあたります。
春の選び方は春休みの親子留学ガイド——3カ国の選び方にまとめています。
「1週間か、2週間か」で満足度が変わる
デメリット④で触れたとおり、慣れ始めるのは3日目前後です。
1週間だと、打ち解けたところで終わります。
費用と日程が許すなら2週間、難しければ1週間で「慣れるところまで行けたら十分」と考える。
この期待値の設定だけで、帰国後の受け止め方が変わります。
参考:aini海外短期留学の場合(費用と、含まれないもの)
最後に、実例として私たちのプログラムの数字を載せておきます。
比較検討の材料として使ってください。
aini海外短期留学は、語学学校ではなく現地の子どもが通っている学校への短期受け入れをアレンジしているプログラムです。現地に長く暮らす日本人のつながりを通じて、学校と直接関係を築いています。
プログラム費(2027年春)
- ニュージーランド(公立小学校):ダニーデン 約35万円〜(1週間〜)/オークランド・クライストチャーチ 約40万円〜(2週間〜)。対象は5歳〜小学生。
- マレーシア(ジョホールバルのインターナショナルスクール):43万円(税込・7日間、2027年3月28日〜4月3日)。学校見学オプションは+8万円。
- スイス:モンテッソーリ・デイキャンプ(2〜5歳+保護者)25万円〜/スイス人家庭に滞在&交流(3泊4日)35万円/スキー&スノボキャンプ(5〜15歳・お子さまのみ)50万円〜。
含まれるもの/含まれないもの
プログラム費に含まれるのは、現地校の学費・入学金、入学手続きのサポート、現地在住日本人によるサポートです。
一方、航空券・宿泊費・食費・海外旅行保険・現地での交通費は含まれません。
パッケージツアーではないため、ここはご家庭での手配になります。
そのぶん、滞在先や日程をご家庭の予算に合わせて調整できます。
総額の目安は、デメリット①で書いたとおり「プログラム費と同じくらい〜2倍程度の実費上乗せ」で計算してください。
親の負担を減らす部分
プログラムには、現地在住日本人によるサポートがあります。
デメリット⑤で挙げた「英語で学校とやり取りする不安」「体調を崩したときに誰に相談するか」は、ここで大きく軽くなります。
国ごとの詳細はこちらです。
料金・日程は時期や為替により変わります。
最新の条件と、ご家庭の場合の総額の考え方は、無料オンライン説明会でご案内しています。
よくある質問
A. なりません。言語の習得には時間がかかるため、そこは期待しないでください。短期留学の価値は、英語を使う理由がお子さんの中に残ることにあります。帰国後の英語学習への向き合い方が変わった、という声は多くいただきます。
A. 最初の2〜3日は黙って過ごすお子さんが多く、それは普通のことです。3日目あたりから変わってきます。現地在住日本人によるサポートがあるプログラムなら、学校とのやり取りや困りごとを日本語で相談できるので、親子ともに負担が小さくなります。
A. 時期の選び方次第です。春休みや夏休みを使えば、ゼロ〜数日に抑えられます。詳しくは学校を休ませずに留学する方法をご覧ください。
A. プログラム費に加えて、航空券・宿泊費・食費・海外旅行保険・現地での交通費が別途かかります。プログラム費と同じくらい〜2倍程度の実費上乗せを想定して計算すると、大きくずれません。組み立て方は費用の記事で分解しています。