「長期留学」を調べている人が、ほんとうに抱えている3つの問い
長期留学について調べ始める方のきっかけは、だいたい次の3つに分かれます。
- 英語を「使える」ところまで持っていきたい
- 日本の学校のやり方が、うちの子に合っていない気がする
- 子どもに、日本の外にも世界があることを体で知ってほしい
この3つは、どれも「1年行けば解決する」とは限りません。
むしろ、答えが出る場所がそれぞれ違います。
①英語を伸ばしたい場合
これは期間の長さが効きます。
1〜2週間で英語力が伸びることは、基本的にありません。
ただし、短期でも変わるものが1つあります。
それは「英語を使う理由」が本人の中にできるかどうかです。
そこが動くかどうかは、1週間でも分かります。
②日本の学校が合っていない気がする場合
この場合、確かめたいのは英語ではなく環境との相性です。
相性は、期間を延ばしても精度が上がりにくい種類の問いです。
1年通わせてから「合わなかった」と気づくほうが、取り返しがつきません。
先に短い期間で現地校に入れてみて、本人の様子を見るほうが判断が早くなります。
③世界を知ってほしい場合
これは期間よりも「どんな場所に行くか」で決まります。
日本人の参加者が大半を占める環境では、長く行っても起きにくいことがあります。
この論点は「海外サマーキャンプの選び方」で詳しく書いています。
長期と短期では、決めることがまるごと入れ替わる
ここがこの記事の本題です。
長期は「短期を長くしたもの」ではありません。決める項目そのものが別です。
下の表は、決めるべき項目と、その答えを持っている相手を並べたものです。
金額は入れていません。学校・自治体・国によって変わるためです。
| 決めること | 1〜2週間の短期 | 半年〜1年の長期 | 聞く相手 |
|---|---|---|---|
| 日本の在籍校の扱い | 欠席の相談だけ | 在籍を続けるのか、手続きが必要かを決める | 在籍校の担任・教頭、自治体の教育委員会 |
| 滞在の資格 | 観光の範囲で足りることが多い | 子ども・保護者それぞれの資格を事前に確定させる | 渡航先の政府機関の公式案内、大使館・領事館 |
| 現地校の年度 | 長期休みに合わせて入る | 年度のどこから入るかで学年が変わる | 通う予定の現地校 |
| 保護者の仕事と住まい | 休暇で調整できる | 働き方と日本の住まいをどうするか決める | 勤務先、住まいの契約先 |
| 帰国後の学年 | 考えなくてよい | 戻る学年と、学習の遅れの戻し方を決める | 在籍校、教育委員会 |
| 費用の構造 | プログラム費+学費+渡航・滞在費 | 上記に加えて、保護者の収入の変化が総額を動かす | 各学校の公式サイト、ご家庭の家計 |
長期の検討は「調べもの」ではなく「交渉と手続き」になります。
そして交渉の相手は、在籍校・自治体・現地校・勤務先と、最低4つに分かれます。
どこから手をつけるかで迷う方が多いので、順番を書いておきます。
- 在籍校——長期で抜けた場合の扱いを先に確認する。ここが固まらないと他が決まりません
- 現地校——受け入れの可否と、年度のどこから入れるか
- 滞在の資格——現地校が決まってからでないと、必要な種類が確定しません
- 勤務先と住まい——上の3つの日程が見えてから動く
逆に、滞在の資格から調べ始めると情報が一般論で止まります。
学校が決まっていないと、必要な手続きが特定できないからです。
1〜2週間の短期で確かめられること、確かめられないこと
長期を考えている方に短期をおすすめする記事は多いのですが、何が分かって何が分からないかまで書かれていることは少ないです。
正直に分けます。
短期で確かめられること
- 英語が分からない場面で、本人がどう振る舞うか(固まるのか、身振りで聞くのか)
- 初めての集団に入るまでに、何日かかるか
- 現地校の授業の進め方が、本人に合っているか
- その国の気候・食事・通学の距離が、生活として続けられそうか
- 保護者自身が、その土地で暮らすことを想像できるか
短期では確かめられないこと
- 英語力が伸びるかどうか(期間が足りません)
- 友だち関係が続いた先でどうなるか
- 学期を通した評価や宿題の負荷
- 日本の学習からどれだけ離れるか
つまり短期は、「向いているか」のうち前半だけが分かる下見です。
それでも、最初に挙げた3つの問いのうち②と③には、かなりの材料が手に入ります。
長期を見据えて短期に行くなら、この7つを見てくる
短期を「体験」で終わらせないために、見てくる項目を決めておくと効きます。
感想ではなく、日付とできごとで残すのがコツです。
- 授業中の本人の姿——手が挙がるか、何日目から挙がったか
- 分からない場面の乗り越え方——先生に聞けるか、隣の子を見て真似るか
- 休み時間——授業より休み時間のほうが差が出ます。ひとりでいるのか、輪に入るのか
- 通学と生活のリズム——起きる時間、帰宅後の様子、何日目に疲れが出たか
- 保護者の1日——お子さんが学校にいる時間を、自分が何に使えたか
- 現地校の年度と学年——その学校では何月が年度の区切りで、本人は何年生に入ったか
- 帰国後1週間——日本の授業に戻るとき、何に詰まったか
このうち⑥と⑦は、長期を決める段階でそのまま資料になります。
とくに⑥は学校ごとに違うので、現地にいるあいだに直接聞くのが一番確実です。
「長期も考えているけれど、まず短期から」というご相談も多いです
無料オンライン説明会を見てみる在籍校と帰国後の学習——先に決めておくと迷わない3つのこと
長期で最後まで残るのは、英語でも費用でもなく日本側の話です。
ここを曖昧にしたまま出発すると、帰国の時期に慌てます。
1. 在籍校に、どの段階で何を伝えるか
短期であれば、長期休みの範囲に収めれば相談ごと自体が小さくなります。
日程の組み方は「学校を休ませずに小学生を海外へ」に手順を書きました。
長期の場合は、まず担任に「検討している」段階で一度話しておくと進みやすくなります。
決まってから伝えると、学校側も手続きの確認に時間が必要になります。
2. 帰国後に戻る学年をどう考えるか
日本の学年と現地校の学年は、年度の区切りが違えばずれます。
戻ったときに同学年なのか、どの単元が抜けるのかを、出発前に在籍校と確認しておきます。
抜ける単元が分かっていれば、滞在中に家庭で手を打てます。
逆に、帰国してから調べ始めると、学期の途中で追いつく形になります。
3. 日本語での学習を、どこまで止めるか
長期になれば、日本語での学習量は確実に減ります。ここは割り切りが必要です。
「減らさない」ことを目標にすると、現地の生活のほうが削られます。
何を減らして、何は続けるか(たとえば算数だけは続ける)を、先に決めておくほうが現実的です。
参考:aini海外短期留学で選べる期間と料金
はじめにお伝えしておくと、aini海外短期留学は1〜2週間のプログラムです。
半年や1年の長期留学は扱っていません。
そのうえで、長期を検討している方に短期を挟む意味があると考えているのは、通うのが語学学校ではなく現地の通常校だからです。
長期で通うことになる学校と、同じ種類の環境を先に見られます。
行き先と選べる期間
- マレーシア(ジョホールバル)——現地インターナショナルスクールの通常授業への体験入学。1〜2週間。小学1〜6年生のお子さまと保護者。時差1時間
- ニュージーランド——現地の公立小学校へそのまま入学。5歳〜小学生。ダニーデンは最短1週間から、オークランドとクライストチャーチは最短2週間から。時差3時間(サマータイム時は4時間)
- スイス——スイス人家庭に滞在&交流プラン(幼稚園〜小学生の親子・3泊4日)、モンテッソーリ・デイキャンプ(2〜5歳+保護者・3日/5日/7日間から選択)、スキー&スノボキャンプ(5〜15歳・お子さまのみ)
2027年の春休み(3〜4月)のスプリングスクールは募集中です。
料金(マレーシア・ニュージーランド)
- 基本料金 11万円(税込)/お子さま1名——現地校の受け入れ枠の確保、入学手続きの代行、渡航前ガイド
- 学費(現地校の学費・入学金)は別途——マレーシア 約5〜10万円、ニュージーランド 約10〜20万円(いずれも1〜2週間の目安)
- 現地在住日本人によるサポートはオプション——マレーシア 15万円、ニュージーランド 16.5万円(税込・家族1組)
プログラム側の合計目安は、マレーシアが約16〜21万円(オプションを付けた場合 約31〜36万円)、ニュージーランドが約21〜31万円(同 約37.5〜47.5万円)です。
含まれないものは、往復航空券(親子分)、宿泊費・食事などの生活費、海外旅行保険、現地での交通費・移動手配です。
パッケージツアーではないため、ここはご家庭で手配いただく形になります。
費用の総額の組み立て方は「親子留学の費用はいくら?」で、内訳から見積もる手順を紹介しています。
なぜ現地の通常校に短期で入れるのか
海外現地で長年子育てをしてきた保護者など、日本最大級の海外在住日本人プラットフォームを運営しているロコタビだからこそ、一般の留学エージェントやネット情報では見つけられない、現地の人だからこそ知る「質が高く環境の良い学校」を独自に開拓できました。
現地の公立小学校への短期の入学は、ほかでも提供されています。
私たちの特徴は、行き先が3カ国あること、現地在住日本人によるサポートをオプションで選べること、そして春休みの日程を明示していることです。
よくある質問
A. 早いかどうかは年齢だけでは決まりません。
判断を分けるのは、本人が新しい集団に入っていけるか、日本語での学習が一度止まっても戻せるか、保護者が現地での生活を1年続けられるかの3点です。
この3点はどれも、1〜2週間の短期で実際の様子を見てからのほうが判断しやすくなります。
年齢ごとの考え方は「親子留学は何歳から?」にまとめています。
A. 短期は日程と行き先を決めれば動き出せます。
長期は、日本の在籍校の扱い、滞在の資格、現地校の年度の区切り、保護者の仕事と住まい、帰国後の学年の戻し方を、出発前にすべて決める必要があります。
短期の延長ではなく、別の手続きだと考えたほうが準備が進みます。
A. できません。
aini海外短期留学は1〜2週間のプログラムで、長期の留学は扱っていません。
長期を検討されている方には、行き先を絞る段階で短期を一度挟み、現地校の様子をご自身の目で見てから長期の判断をすることをおすすめしています。
A. 長期の費用は、学費・滞在費・保険・渡航費のほかに、保護者の収入がどうなるかで総額が大きく動きます。
学費は通う予定の学校の公式サイト、滞在の資格に関わる費用は各国の政府機関の案内が一次情報です。
短期の費用の出し方は「親子留学の費用はいくら?」で内訳の組み立て方を紹介しています。
A. この記事では7つ挙げています。
授業中に本人がどう振る舞うか、英語が分からない場面の乗り越え方、休み時間の過ごし方、通学と生活のリズム、保護者の1日の使い方、現地校の年度と在籍校の学年のずれ、帰国後の学習の戻し方です。
感想ではなく、日付とできごとでメモに残すと判断材料になります。