小学生の留学は4タイプ——まず、どれかを決める
小学生が海外で学ぶ方法は、「何週間か」と「誰と行くか」の2軸で並べると4つに収まります。
体験談を読む前にここを仮決めしておくと、条件の違う情報に振り回されずに済みます。
| タイプ | 期間 | 同伴 | 費用の桁 | 向いているご家庭 |
|---|---|---|---|---|
| ① 短期の親子留学 | 1〜2週間 | 親子 | 数十万円 | 初めての海外。日本の小学校は休ませたくない |
| ② 短期の単独キャンプ | 1〜2週間 | 子のみ | 数十万円 | 自立を促したい。ただし参加者の構成は要確認 |
| ③ 学期留学 | 1学期〜1年 | 親子または保護者1名 | 百万円単位 | 教育移住の予行演習をしたい |
| ④ 正規留学・教育移住 | 年単位 | 家族 | 年あたり百万円単位 | 海外での教育に本格的に移行する |
このうち、日本の小学校を休ませずに実現できるのは①と②だけです。
③④は転校・休学の手続きと、帰国後の学習の接続を先に設計する必要があります。
順番としては、①か②を一度やってみて、手応えを見てから③④を検討する——が、費用面でもお子さんの負担面でも現実的です。
短期で「もっと行きたい」となるか「日本の学校のほうがいい」となるかは、実際に行くまで分かりません。
①と②の違いは「英語の量」ではなく「誰と過ごすか」
①②はどちらも1〜2週間ですが、中身は別物になりがちです。
- 単独キャンプ型——短期滞在者向けに組まれたクラスです。参加しやすい反面、参加者の国籍構成がプログラムによって偏ることがあります。
- 現地校の通常授業に入る型——現地の子どもが普段通っている教室に、そのまま入ります。授業の難易度は調整されません。
「英語のレッスンを受けさせたい」なら前者、「現地の子の日常に混ざる経験をさせたい」なら後者です。
偏りが起きる仕組みは海外サマーキャンプの参加者が「ほぼ日本人」になりやすい理由で解説しています。
費用の出し方——3ステップで自分の見積もりを作る
「小学生 留学 費用」で調べると、十数万円から数百万円まで並びます。
桁が違うのは、それぞれ含まれている範囲が違うからです。他人の総額を比べても自分の数字は出ません。
自分で出すには、次の3ステップで積み上げます。
- STEP 1|プログラム側に払う分
- 基本料金と、現地校の学費・入学金。ここは公表されている数字で確定できます
- STEP 2|ご家庭で手配する分
- 往復航空券・宿泊費・食事などの生活費・海外旅行保険・現地での交通費
- STEP 3|幅を決める
- STEP 2を「最安で組んだ場合」と「無理なく組んだ場合」の2本で出し、レンジで持つ
ポイントは、幅が大きいのはSTEP 2のほうだということです。
プログラム側の金額は動きませんが、航空券を取る時期と宿の選び方で、同じ行き先でも十数万円単位で変わります。
実際の数字で見てみます。aini海外短期留学の場合、STEP 1は次のとおりです。
| 行き先 | 基本料金(お子さま1名) | 学費・入学金(別途) | STEP 1 合計 |
|---|---|---|---|
| マレーシア | 11万円(税込) | 約5〜10万円(1〜2週間) | 約16〜21万円 |
| ニュージーランド | 11万円(税込) | 約10〜20万円(1〜2週間) | 約21〜31万円 |
ここに、オプションの現地在住日本人によるサポートを利用する場合は、マレーシア15万円/ニュージーランド16.5万円(税込・家族1組)が加わります。
そしてSTEP 2。往復航空券・宿泊費・食事などの生活費・海外旅行保険・現地での交通費は、どの国のプログラム費にも含まれません。各ご家庭での手配になります。
費用を抑える4つの現実的な手
- 航空券を早く押さえる——長期休みは価格が跳ねます。日程の候補を2週用意して、安いほうに寄せると差が出ます。
- キッチンのある宿を選ぶ——1〜2週間の滞在では、3食外食と自炊併用で食費が大きく変わります。
- 学校と滞在先を近くする——現地での移動が減ると、交通費だけでなく1日の時間そのものが浮きます。
- サポートのオプションを目的で選ぶ——必要かどうかは、初めての渡航か、言葉の不安がどの程度かで決めます。一律に付けるものではありません。
見積もりの立て方そのものは親子留学の費用は結局いくら?本当の総額と見積もり方で3カ国を横に並べて解説しています。
「うちの学年と、取れる日数だと、どの国のどの週が現実的ですか?」を説明会で直接聞けます
無料オンライン説明会を見てみるいつ行くか——春・夏・冬で中身が変わります
日本の小学校を休ませない前提だと、渡航できるのは長期休みの3択です。
ところが、ここにこの分野でいちばん見落とされる落とし穴があります。
日本が長期休みのときは、行き先の学校も休みであることが少なくありません。
「現地の子と同じ教室で過ごさせたい」と思って申し込んだのに、通常授業そのものが動いていない——という取り違えが起こります。
夏休み(7〜8月)——北半球の学校はほぼ長期休暇に入ります。そのため夏に動いているのは留学生向けキャンプが中心で、現地の子どもの通常授業に入るという選び方はしにくくなります。
春休み(3月下旬〜4月上旬)——事情が変わります。南半球のニュージーランドは新学期が始まったばかりで、学校が通常どおり動いています。
マレーシアのインターナショナルスクールにも、この時期に通常授業をしている学校があります。
冬休み(12月下旬〜1月上旬)——年末年始と重なり、多くの国で学校も休みに入ります。日数も短く、渡航費が最も高い時期です。
つまり「現地の子どもの中に入る」経験をさせたいなら、実は春休みのほうが選択肢が多いということになります。
夏がだめなのではなく、夏はキャンプ型が主役になる、という構造の違いです。
学校暦は年によって、また学校ごとにずれます。候補の週は2つ用意しておくと、1週ずれたときに組み直しがきき、航空券の取り直しを避けられます。
日程の組み方は学校を休ませずに小学生を海外へ|日程の作り方、春休み前提の逆算は2027年の春休みはいつから?準備スケジュールにまとめています。
学年——低学年と高学年では、持ち帰るものが違います
「早いほどいい」と言われがちですが、実際には得られるものが入れ替わるだけです。
- 低学年(1〜2年生)——物おじせず教室に入っていけます。一方で、体験を言葉にして振り返るのはこれからなので、「何を学んだか」を本人から聞き出そうとすると拍子抜けします。変化は帰国後の生活態度に出ます。
- 中学年(3〜4年生)——自分と周りの違いに気づき始める時期です。うまくいかない場面でも状況を説明できるので、保護者がフォローしやすくなります。
- 高学年(5〜6年生)——目的を持って参加でき、「英語をやる理由」が自分ごとになりやすい学年です。反面、恥ずかしさが先に立って最初の数日は口数が減ることがあります。
どの学年でも共通するのは、最初の2〜3日はほとんど話さないことです。これは失敗ではなく、聞くことに集中している時間です。ここで「向いていなかった」と判断しないでください。
年齢別のくわしい判断軸は親子留学は何歳から?年齢別ガイドへ。未就学のお子さまには別のプログラムがあります。
行き先の絞り方——3つの質問で決まります
国から選ぼうとすると決まりません。条件から絞ると、たいてい1〜2カ国に収束します。
- 初めての海外か?——初めてなら、時差とフライト時間が短いほうが親子とも消耗しません。マレーシアは日本との時差1時間です。
- 現地校の通常授業に入りたいか?——そこを重視するなら、渡航時期に学校が動いている国に絞られます。春はニュージーランドが新学期です。
- 子ども自身に何を持ち帰らせたいか?——語学の時間なのか、教室での人間関係なのか、教育環境そのものを見ることなのかで、行き先が変わります。
| 行き先 | 学校のかたち | 時差 | こんなご家庭に |
|---|---|---|---|
| マレーシア | インターナショナルスクールの通常授業(ジョホールバル) | 1時間 | 初めての海外。費用を抑えたい |
| ニュージーランド | 現地の公立小学校(3都市から選択) | 3時間 | 英語圏で、現地の子の教室に入りたい |
| スイス | 名門校見学、モンテッソーリ・デイキャンプ、スキー&スノボキャンプ | — | 教育環境そのものを見せたい |
国ごとの中身は、マレーシア親子留学ガイド、ニュージーランドの公立小学校に短期留学した子どもの1日、スイスの子ども向けスキーキャンプでそれぞれ掘り下げています。
3カ国を条件表で横に比べたい方は親子留学の国はどう選ぶ?が早いです。
「英語ができないから無理」は、ほぼ誤解です
親子とも英語に自信がない——という理由で見送るご家庭は多いのですが、短期の受け入れに慣れた学校では、そこは前提として扱われています。
保護者の方が実際に困るのは会話力より、持ち物と時間の連絡が正しく伝わっているかです。口頭で済ませず、翻訳アプリで文章にして確認すれば、行き違いはほとんど防げます。
オプションの現地在住日本人によるサポートを利用する場合は、到着時の合流や学校登校初日の同行を日本語で受けられます。
くわしくは親も子も英語が話せなくても親子留学はできる?をどうぞ。
なぜ「小学生の留学」は情報が集めにくいのか
ここからは背景の話です。急いでいる方は読み飛ばしていただいてかまいません。
小学生の留学を調べると、出てくる情報が偏ります。理由は3つあります。
- 留学市場の主役が大学生・高校生だから——「短期留学」「春休み 留学」といった言葉で検索すると、大学生向けの語学研修が先に並びます。小学生向けの情報はその陰に隠れます。
- 多くの国で、現地校が短期の受け入れをしていないから——学籍や在留資格の扱いがあるため、1〜2週間だけ教室に入れる仕組みを持つ学校は限られます。結果として、検索で見つかるのは留学生向けに設計されたキャンプが中心になります。
- 日本の長期休みと、現地の学校暦がずれるから——前述のとおりです。日本の夏休みに合わせると、行き先の学校も休みという事態が起きます。
この3つが重なった結果、「小学生が現地の子どもと同じ教室で過ごす」という体験は、探しても見つけにくいものになっています。
ainiがこの形を用意できているのは、海外現地で長年子育てをしてきた保護者など、日本最大級の海外在住日本人プラットフォームを運営しているロコタビだからです。
一般の留学エージェントやネット情報では見つけられない、現地の人だからこそ知る「質が高く環境の良い学校」を独自に開拓できました。
もっとも、短期留学には正直に不利な点もあります。1〜2週間で英語が話せるようにはなりませんし、最初の数日は慣れに使われます。そのあたりは小学生の短期留学、デメリットは?正直に5つと、その減らし方に書きました。
参考:aini海外短期留学(2027年春)の内容と費用
ここまでの整理を、実際の申し込みに当てはめるとどうなるか。
参考として、私たちのプログラムの内容を掲載します。
プログラムの中身
- 行き先——マレーシア(ジョホールバルの現地インターナショナルスクール/通常授業への体験入学)、ニュージーランド(現地の公立小学校/オークランド・クライストチャーチ・ダニーデンの3都市から選択)、スイス(名門校見学、モンテッソーリ・デイキャンプ、スキー&スノボキャンプ)。
- 対象——マレーシアは4歳〜小学生、ニュージーランドは5歳〜小学生。お子さまのみのご参加は受け付けておらず、保護者の方とご一緒の親子でのご参加をお願いしています。
- 期間——1〜2週間。ニュージーランドはダニーデンが1週間から、オークランドとクライストチャーチは2週間からです。
- 時期——2027年春休み(3〜4月)のプログラムを募集中です。
- お申し込み前——事前確認シートのご提出が必須です。内容や現地校からの回答をもとに主催者が個別に確認し、難しい場合はお断り、または出発前に中止となります(その場合、プログラム費は全額返金いたします)。
費用
- 基本料金——11万円(税込)/お子さま1名。現地校の受け入れ枠の確保、入学手続きの代行、渡航前ガイドが含まれます。
- 学費・入学金——別途。目安はマレーシア約5〜10万円、ニュージーランド約10〜20万円(いずれも1〜2週間)。
- 現地在住日本人によるサポート——オプションです。マレーシア15万円/ニュージーランド16.5万円(税込・家族1組)。
- スイス——モンテッソーリ25万円〜/家庭滞在&交流35万円/スキー&スノボ50万円〜。
- 含まれないもの——往復航空券(親子分)、宿泊費・食事などの生活費、海外旅行保険、現地での交通費。各ご家庭での手配となります。
最新の料金は料金ページをご確認ください。各国の詳細はマレーシア/ニュージーランド/スイスの各ページにあります。
オプションの現地サポートで受けられること
- 渡航前オンライン顔合わせ(1回・30分程度)
- 到着時の合流・現地オリエンテーション(1回・空港にて合流)
- 周辺環境のご案内・買い物への同行(1回・約1〜2時間)
- 学校登校初日の同行(1回・約1〜2時間)
- 滞在中のご相談への対応(メール・LINE、現地時間の平日9:00〜18:00、返答は原則24時間以内)
なお、学校生活で常時の付き添いや個別の支援が必要な場合、投薬の管理や医療的ケアを保護者以外が行う必要がある場合、現地校が受け入れ不可と判断した場合は、ご参加いただけません。
親子での短期留学の全体像は親子短期留学 完全ガイドにもまとめています。
よくある質問
A. 短期の現地校プログラムであれば、小学1年生から参加できます。ainiの場合、マレーシアのインターナショナルスクールは4歳〜小学生、ニュージーランドの公立小学校は5歳〜小学生が対象です。未就学のお子さまには別プログラムがあります。低学年か高学年かで得られるものは変わりますが、どちらが有利ということはなく、いまのお子さまの性格と目的に合うかどうかで判断するのが現実的です。
A. お子さまだけで参加できるのはキャンプ型の一部です。現地の学校の教室に入るタイプ、たとえばマレーシアのインターナショナルスクール体験入学やニュージーランドの公立小学校への短期入学は、安全面の理由から保護者の方とご一緒の親子でのご参加が前提になります。まず保護者同伴の短期で海外の学校を一度経験し、その手応えを見てから単独参加を検討する順番が、負担の少ない進め方です。
A. 「プログラム側に払う分」と「ご家庭で手配する分」に分けて考えます。ainiのプログラム側は、基本料金11万円(税込・お子さま1名)に現地校の学費・入学金が別途で、目安はマレーシア約5〜10万円、ニュージーランド約10〜20万円(1〜2週間)。合計するとマレーシア約16〜21万円、ニュージーランド約21〜31万円です。往復航空券・宿泊費・食事などの生活費・海外旅行保険・現地での交通費は含まれないため、ご家庭で手配した分を足したものが実際の総額になります。積み上げ方は費用の記事で解説しています。
A. 春休み・夏休み・冬休みに収まる日程を選べば、休ませずに渡航できます。ただし日本が長期休みのときは、行き先の学校も休みであることが少なくありません。現地の子どもがいる通常授業に入りたい場合は、渡航先の学校暦が日本の休みと重なっていないかを先に確認してください。数日はみ出す場合の学校への相談の順番はこちらの記事にあります。
A. 英語ゼロでも参加できます。最初の数日は聞くことが中心になり、身ぶりと周りの様子を見ながら動く時間が続きます。保護者の方の英語力も条件ではありません。学校とのやり取りは口頭で済ませず、翻訳アプリで文章にして確認すれば、聞き間違いによる行き違いはほとんど防げます。くわしくは英語が話せなくても親子留学はできる?をどうぞ。